鍵の利便性
普通のECサイトがこれほどの投資を最初からすることは資金的にも難しく、リスクが大きいため、お勧めできない。
コミュニティを「小さく始めて、大きく育てる」という発想に立ち、必要以上の投資をすることなく、コミュニティ運営をまずはスタートさせたほうがECサイトにとってはメリットがある。
現在は多数のSNS機能を提供するASPが存在しているため、そのなかから自分の趣向に合うものを選んでみれば、実は簡単にコミュニティをスタートさせることが可能だと分かるだろう。
各社ASPで提供しているため、機能面についてはある程度の制約があるが、「まずコミュニティありき」の発想をぜひ持っていただきたい。
ASPでまずは低価格でスタートし、コミュニティが大きくなって、徐々に機能を追加しても問題はない。
はじめから機能にこだわりすぎてコストを増大させることは避けたほうが得策だろう。
SNSを導入した後、その運営、運用についてのポイントをいくつか挙げておきたい。
実際にコミュニティを運営したときに、陥りやすいいくつかの点がある。
これから導入される場合には、ぜひ注意していただきたい。
まずは、いろいろと考えてみる前に、スタートしてみることが大切である。
始めるべきかどうかとあれこれ悩んでいるうちに、あなたの店の優良顧客はどんどん離れていく。
小さく始めて大きく育てるという発想で、会社として始めたのかどうかもわからないぐらいのスタートがちょうどいい。
社員112名でも十分コミュニティは運営できるのであるから、今すぐにでも優良顧客の囲い込みをスタートすべきだ。
しかし、コミュニティ運営は「始めてから300人までのスタート時が最も大変である」という点を忘れてはならない。
ASP版のSNSを構築したときには、たった1人のコミュニティができ上がる形からのスタートとなる。
そこからいかにして多くの会員を集めてくるかということが課題となるが、最初の300名を集めるところが最も難しい。
コミュニティは300名になるまでは、あまり活発にならず、店舗側の努力とフォローが必要になる。
ところが300名を超えてくると、自然発生的に顧客同士がつながりを持ち始め、活発なコミュニティが形成され、人数も加速度的に増えてくる傾向が見られるようになる。
次に、店舗側の対応についてだが、コミュニティができるようになると、どうしても顧客を「管理」しようという意識が沸いてきてしまうことがある。
コミュニティが大きく成長するまでは、管理するという意識を捨て、あくまでも「楽しめる場所を提供する」ということに重点を置いて運営をすることがポイントである。
はじめに管理ありきではなく、コミュニティを形成するのだという気持ちを持って運営に望んでほしい。
まずはコミュニティを作ること。
小予算でコミュニティを運営し、もし失敗したら撤退すればよく、成功したら徐々に機能を追加していけばよい。
では、より具体的な、SNSのユーザーとの接し方について説明しよう。
まず心がけることは、ユーザーからの書き込みに対して、コミュニティが成長するまでの一定期間には必ず返事をつけることが大切である。
とにかくユーザーとのコミュニケーションをとることが重要である。
そうすると、コミュニティの中で次第に積極的に参加してくれる人が現れてくる。
運営者は積極的な参加者を歓迎すると同時に、その参加者同士をつなぐパイプ役となるように働きかける。
最初のうちは、運営者側が、ユーザー同士をつなげる役割を担ってあげることが重要である。
そういった行動をとることにより、ユーザーの中でのオピニオンリーダーと言える存在を見つけ出し、クチコミを作り出していくことができるようになってくるのだ。
SNSで物が売れるまでに、をたどるのだろうか。
人が物を購入するときの主な理由について調査をしたことがある。
最も多くの意見を集めたものは、「友達から勧められたから」というものであった。
人は物を買うときの最終的な決定要因として「友達から勧められた」「話題に乗り遅れたくないから」「なんとなく、楽しそうだから」というような理由を挙げることが多い。
つまり、エンタメ感による「衝動買い」である。
SNSを利用した販促には、これらの「購買への最戦略後の一押し」を形成することができるわけである。
以前はメールマガジンによる購買への意識付けができていたが、情報が氾濫するにつれ、その効果が薄れてきた。
店舗運営者全員が「これは良い、すばらしい商品である」ということをアピールしているため、顧客はどの情報を信じればよいのかわからない。
また、ECサイトによくある「レビュー機能」は、その人の素性がわからないため信頼性に欠ける部分がある。
それでは、人は何によって動かされるのか。
自分の友達、信頼できる人からの勧めにより、最終的な購買行動に移る場合が多いのだ。
SNSの場合、コミュニティが発展すると、表現する人がリーダー化してくるのがわかる。
ニティ参加者は、そのリーダーのコメントを信頼するようになるため、その人の勧める商品は信頼できるものになる。
つまり、クチコミで物が売れていく。
また、SNSでは、質問と回答のプロセスすべてがSNS内部で行われるため、それまでは一ユーザーに対して店舗が回答し、その回答を受けて顧客が購入することがほとんどであったが、SNS内部においては、とあるユーザーが質問したことに対して、別のユーザーからの回答が得られるようになる。
そして、質問をしたユーザーの購買につながる可能性があるだけではなく、その質問と回答のやり取りを見ていたユーザーの購買にも結びつくことがあるのだ。
このようにして、ECサイト内部のコミュニティが活発になればなるほど、ユーザー同士の情報のやり取りが蓄積され、クチコミを誘発する可能性が非常に高くなる。
この間のやり取りに店舗側からの情報提供は、まったくないか、もしくは、一担当者としての意見程度だ。
店舗は売り込みをすることなく、顧客同士のやり取りだけでものが売れていくのである。
そのため、SNSで販促を始めると、メールマガジンなどで特に告知をしていない商品が爆発的に売れるというケースが起こっている。
企業の担当者が、商品別売り上げを見て、「なぜこの商品が売れたのだろう?」と首をかしげるのだが、SNSでのやり取りをトラッキングしてみると、コミュニティ内でその商品が紹介されているため、売れていたということが判明することもある。
コミュニティ内部を楽しい空間にすること。
ECサイト運営者はそのことだけを考えてSNSを運営していくことが、会員の増加、そしてコミュニティ、つまりは店舗のロイヤルティ向上のためのプロセスとして非常に重要なのだということを、頭の中に入れておいてほしい。
最後に、SNSで成功するために必要なポイントを3つ紹介しておきたい。
第1のポイントは、「売り込まない」ということである。
SNSに参加しているユーザーの多くは、店舗の優良顧客であることが多い。
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